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台東県産アテモヤを救うための「3本の矢」、達成率は96%


Link [2022-05-21 22:33:25]



中国が昨年、台湾産シャカトウ(バンレイシ、中国語表記は釈迦頭)の輸入を一方的に禁止して以来、台湾の行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)は内需、輸出、加工の三方面を強化する措置を講じてきた。農業委員会は17日、この「3本の矢」の目標達成率が96%に達したと発表した。   中国は昨年9月に台湾産シャカトウからカイガラムシが検出されたことを理由に、台湾からのシャカトウの輸入を一方的に禁止した。台湾が中国に輸出しているシャカトウのほとんどは、シャカトウとチェリモヤを掛け合わせたアテモヤ(パイナップルシャカトウ、中国語表記は鳳梨釋迦)であり、なおかつその産地の90%は台東県(台湾東部)に集中している。   農業委員会はアテモヤの生産と販売の安定を図るため、生産者団体、地方自治体、卸業者や輸出業者、加工業者などを集めて緊急会議を開き、内需、輸出、加工の三方面を強化する「3本の矢」と呼ばれる措置を打ち出した。農業委員会は17日、今年のアテモヤのシーズンが終わったのを機に、台東県のアテモヤ生産者を集めて「3本の矢」の成果報告会を開催した。   農業委員会農糧署の姚志旺副署長によると、この「3本の矢」はアテモヤの販売目標を1万3,000トンと設定するもの。内訳は輸出5,000トン、内需5,000トン、加工3,000トン。現在までの結果は、内需(台湾内部での販売)7,090トン/目標達成率142%、輸出4,355トン/目標達成率87%、加工1,007トン/目標達成率34%となっている。総体的には12,452トンで、目標達成率96%となった。   但し、これらは5月下旬までさらに増える可能性もある。特に輸出については、月末までに目標達成可能だと見ている。また、加工については目標を大きく割り込んだが、これは業者の技術移転の問題と、アテモヤの加工がその他の果物と異なることが要因と考えられる。農業委員会では、奨励金を引き上げたり手法を変えるなどして問題を解決していきたいとしている。 農業委員会は昨年以来、中国の代替市場を探すため、香港、ベトナム、アラブ首長国連邦などへの輸出を強化したほか、検疫問題をクリアするため、丸ごと冷凍する方法で日本市場への輸出にも挑戦し、成功した。国内向けの販売については、流通業者や国営企業などに協力を仰いだ。また、シャカトウ・アテモヤやレンブ(蓮霧)専用のオンライン販売プラットホーム「好釈連蓮訂購平台」を構築したり、全国の郷・鎮レベルの農会(=農協)に購入を呼び掛け、振興券の「五倍券」や「農遊券」と組み合わせた販促プロモーションを行った。さらには刑務所などの機関や軍の献立にも取り入れてもらい、購入の強化を図った。加工については、農業委員会農業改良所が長年研究してきた冷凍技術を無償で加工業者に移転するなどしてきたという。  



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