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『甘露水』を鑑賞、蔡総統が100年前の台湾芸術家の志を語る


Link [2022-03-18 01:32:36]



蔡英文総統がさきごろ、台湾の彫刻家、黄土水による大理石の彫刻作品『甘露水』を鑑賞し、16日に自身のフェイスブックに同作品公開の意義を書き込んだ。蔡総統は、「昨年の芸術文化界で最も重要な出来事は台湾の芸術家、黄土水による1921年の重要な作品『甘露水』が文化部(日本の省レベル)の李永得部長(大臣)、国立台北教育大学北師美術館の林曼麗教授、ならびに大勢の人々の努力によって再び日の目を見たことだ」と記した。   蔡総統は、北師美術館がここ2年間に黄土水の作品『少女』(胸像)と『甘露水』を立て続けに公開したことについて、「100年前の台湾の芸術家が植民統治と帝国主義の搾取で捻じ曲げられた時代の中で、いかに自信に満ちた態度で暗闇を照らす灯りを追い求め、日本や欧州の同時期の芸術家たちと比べても全くそん色のない作品を生み出したのか、そして『芸術上のフォルモサ時代』を確立しようと全力を尽くしたのかを我々に見せてくれる」と解説した。   その上で蔡総統は、『甘露水』を40年あまり保管して来た張士文医師の一家に深く感謝。張医師が「甘露水」の展示が始まる際のあいさつで『甘露水』にまつわる思い出を語り、文化部に収蔵されることで自分たちの手を離れることになったこの彫刻に、「さようなら。私たちの心の中にずっといる『甘露水』姉さん」と話しかけたことについて、「人々に熱い涙を流させた」とつづった。   蔡総統は、張医師家族が当時、重要な文化財を守るため『甘露水』を密かに保管してくれたおかげで、この土地全てに自由と民主が広まってから、『甘露水』はその最も美しい姿のまま再び私たちの前に現れることが出来たのだとしている。   黄土水は1895年生まれ。日本の「帝国美術展覧会」(現在の「日本美術展覧会」=「日展」)に入選した初めての台湾人芸術家である。大理石の彫刻作品『甘露水』は1921年に入選した作品で、翌年行われた平和記念東京博覧会における台湾館で展示された。   『甘露水』は台湾初の裸婦像(彫刻)で、1958年に台湾省臨時省議会が台湾中部・台中に移転すると『甘露水』もそれに伴い台中市に移動。しかしその後、なぜか台中駅に捨てられていたという。幸い数日後には駅の近所の張外科診所(診療所)に移され、その後張医師の家族が熱心にこれを保管、そして1974年には張家族が霧峰区に持つ工場に送られて「封印」されていた。   その後、林曼麗教授のグループによる捜索に加えて総統府、文化部の協力もあり、『甘露水』は昨年9月6日、蔡総統立ち合いの下で文化部に正式に移管、永久に保存されることとなった。    



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