イギリス貴族院(上院)の元議長で、現職の議員であるデ・スーザ女男爵(Baroness D'Souza)が3月3日、「台湾におけるデモクラシー支持」をテーマに質疑を行った。イギリス外務省で中央及び南アジア、北アフリカならびに国連業務を担当する閣外大臣であるアフマド卿(Lord Ahmad of Wimbledon)はイギリス政府を代表して答弁し、台湾への支持を重ねて表明した。中華民国外交部(日本の外務省に相当)は4日にプレスリリースを発表し、心からの歓迎と感謝の意を表した。 このプレスリリースによると、デ・スーザ女男爵は、「Support Democracy in Taiwan」(台湾におけるデモクラシー支持)をテーマに各議員を率いて質疑を行った。質疑は約1時間に及び合計12名の貴族院議員が発言。議題は幅広く、かつ前向きなものだった。デ・スーザ女男爵は、過去15カ月間に中国の軍機が台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入するなどした回数は2.5倍に増えており、イギリスの首相、外務大臣、G7(主要7カ国)の共同声明がいずれも台湾及びインド太平洋地域の平和と安定の重要性を強調していると指摘。また、最近のウクライナ情勢は、励ましや奨励の言葉ではもはや侵略行為を抑止することが出来ないことを示しているとして、イギリス政府は今まさに権威主義体制の政権による脅威にさらされている国に対して強力かつ明確な約束を行うべきだと訴えた。 その他の議員たちも中国による台湾への脅威、ウクライナ情勢と安全保障、台湾の国際社会参与及び台湾とイギリスとの経済貿易関係などについて発言、イギリス政府にいっそう踏み込んだ台湾への支持を促すと共に、台湾の世界保健機関(WHO)参与、ならびに「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」加入を支持するよう呼びかけた。議員たちは、中国とロシアはフェイクニュースでの情報戦で同盟を組んでいるとして、イギリスは全力で台湾とウクライナを支持すべきだと強調、また台湾がロシアに対する制裁行動に加わったことを歓迎し、台湾とイギリスには連携できる分野が多いと指摘した。 イギリス外務省で中央及び南アジア、北アフリカならびに国連業務を担当する閣外大臣であるアフマド卿は答弁の中で、イギリスの台湾に対する立場は長らく変わっておらず、双方が強力かつ健全、そして活発な関係を保つことを歓迎すると述べた。そして、台湾海峡両岸の平和と安定の維持はイギリスの利益に合致するのみならず全世界が関心を寄せる問題であるとの認識を示した。アフマド卿は、イギリスはこれからも世界のパートナーたちと連携し、現状の破壊につながるあらゆる行動を止めるよう働きかけていくと共に、引き続き民主的で力強く健全な経済を有する台湾と交流し、台湾の国際組織への有意義な参加に積極的に協力していくと語った。