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蔡総統が遺構「安康接待室」を参観、「台湾の民主の発展止まらない」


Link [2022-03-05 18:55:13]



蔡英文総統が2月27日、「不義遺址」の「安康接待室」を参観した。「安康接待室」とはかつて、反乱罪や治安を脅かす重大な事案に関わった疑いのある人物を留置して尋問したり、勾留場所から連れてきて取り調べたりしていた施設で、過去には陳菊女史(現監察院長)、姚嘉文氏(元考試院長)、陳忠信氏(元立法委員)ら「政治犯」もここで拘禁された。今年1月、促進転型正義委員会(移行期の正義促進委員会)によって「不義遺址」に指定されている。「不義遺址」は、権威主義体制の下、台湾の白色テロ時代に人民の権利に対する侵害が行われた場所を、人権の歴史を記念する遺構とするもの。   この日は蔡総統、蘇貞昌行政院長(首相)、監察院(台湾の最高監察機関)の陳菊院長、総統府の姚嘉文資政(最高顧問)、政治的な迫害を受けた亜太和平研究基金会の陳忠信副董事長(副理事長)、文化部(日本の文部科学省に類似)の李永得部長(大臣)、法務部(日本の法務省に相当)の蔡清祥部長(同)、促進転型正義委員会の葉虹霊代理主任委員が「安康接待室」を訪れた。   蔡総統はあいさつの中で、かつて拘禁された場所に再び戻った陳監察院長、姚資政、陳副董事長の複雑な想いを理解することが出来るとした上で、法務部調査局に属していた「安康接待室」はその名を聞いただけでは「招待所」(公務のための宿泊所)だが、実際には権威主義によって統治されていた時代に政府が「国家の安全を脅かす政治犯」を取り調べた秘密の場所だと説明した。   蔡総統は、美麗島事件によって3人はここに拘禁され、身も心も極めて大きな試練を受けることとなったが最後まで信念を堅持したことに非常に敬服すると述べた。そして、こうした振り返るに堪えない歴史を改めて点検するのは、民主化された台湾、ならびに「移行期の正義」を推進した政府が権威主義の道に立ち戻ることは絶対に無いことを証明するためだと強調した。   蔡総統は、2016年以降、「移行期の正義」の歩みは一歩一歩前進していると指摘、権威主義時代の不当な有罪判決が次々と破棄されているほか、当時の政治的公文書も法律に則って国家発展委員会檔案管理局へと移され、今後適切な保存と公開、研究へと供されると説明した。   蔡総統によると、行政院(内閣)ではすでに「安康接待室」を文化部に移管し、「白色テロ景美記念園区」(台湾北部・台北市)に加えて国家人権博物館とするよう計画している。「移行期の正義」の実現と人権教育の普及のための拠点の一つとし、歴史の真相をこれからも人々が目にし、覚えておけるようにするという。   蔡総統は、翌日が228記念日であることに触れ、「この重要な日を前に、青春を捧げ、さらには犠牲となった民主の先人たちに改めて敬意を表す。台湾における民主の発展、あるいは『移行期の正義』の歩みのどちらも前進を続け、止まることは絶対に無いのだ」と語った。    



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